番外編 / PoCが上手くいかないパターンを事前に確認しておこう

PoC(Proof of Concept、概念実証)とは、新しいアイデアの実現可能性や課題を解決する効果について検証する取り組みです。

この「PoCのロードマップ」シリーズでは、自社に新しいSFA(営業管理システム)を導入する企業があると想定し、順を追ってPoCの進め方について解説してきました。

本記事では、これまで第1回から最終回までのシリーズで説明したPoCプロジェクトの進め方を理解して頂いた上で、ぜひとも避けたいPoCが上手くいかないパターンについて解説します。

なお、PoCを実施する上で理解しておくべき基礎知識は下記の記事で詳しくまとめております。「PoCについてより詳しく知りたい」「PoCという言葉は知っているけど詳細までは分からない」という方は、まずこちらの記事をご覧ください。

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目次

適切な目的が設定できていないパターン

「PoCのロードマップ」シリーズでは、PoCプロジェクトを開始する最初のステップとしてPoCの目的を設定し、その次に達成したい目標数値を決めるという進め方を解説しました。

PoCを実施する場合、「とりあえず新しいアイデアやプロダクトがあるから、一度試してみて使えるかどうか検証したい」というケースは多いものです。

しかし、この時に思いつきでPoCを始めても有効な結果が得られず、時間と費用が無駄になる可能性があります。

検証の結果、なんらかのデータは集められるかもしれませんが、そのデータをどのように解釈すれば良いのか、自分達のプロダクト開発やシステム導入において、どのような影響があるのかがわからないためです。

よってPoCを開始する際には、まず自分達が検証する目的が何かを設定し、その目的に沿って目標数値や実施する施策を決める必要があります。

外注選びや依頼の仕方で失敗するパターン

PoCプロジェクトは自社のメンバーだけで実施するのでなく、外注先と協力して進めるケースもあります。

このとき、外注先の選び方や外注先とどのようにPoCを進めるかを考えておかないと、PoCが失敗してしまうリスクがあります。

まず、外注先のPoCに関する過去の実績を確認したり、PoC実施前の打合せの段階でPoCのゴールについて共有して先方の見解を確認して、信頼できる外注先を選ぶことが大切です。

外注先によっては、ビジネス戦略のコンサルに強みがある企業や、開発力が優れている企業など、それぞれに強みがあるため、自社にあった企業を選定することが重要です。

さらに、実際に依頼をする場合には、PoCで検証する内容や評価項目、数値目標、スケジュールなどについて協議し、双方の合意を得た上で無用なトラブルが発生しないように進める必要があります。

実証結果の評価で失敗するパターン

PoCを実施する前に、検証項目を明確にして数値目標を設定しておかないと、実証で得られた結果の判断に迷ってしまい、適切な評価ができないことがあります。

特に新しいプロダクトの機能検証を行う場合は、関係者の間で検証対象の機能と評価指標を共有しておかないと、結果に対する的外れな判断を下してしまうリスクがあります。

また、設定した数値目標を達成することだけに捉われてしまうと、PoCで得られた数値以外のポジティブまたはネガティブな側面を見逃す可能性もあります。

数値目標を達成することは非常に重要ですが、数値に現れない定性的な評価もPoCで検証を行う上で大切なポイントです。

PoCに参加した関係者が気付いた違和感や改善のためのアイデアは、PoC後のプロダクト開発に活かせることも多いため、多角的に評価を進めるように心掛けましょう。

まとめ

PoCは新しいアイデアを実際の環境で検証し、プロダクト開発やシステム移行を成功に導くための重要なプロセスです。

本記事では、PoCプロジェクトを進める際に注意が必要な、PoCが上手くいかないパターンについて説明しました。

PoCを実施する際に失敗してしまう理由について詳しく解説した記事が「PoCが失敗する理由をよくあるパターン別に詳しく解説」です。ぜひご覧になってみてください。

「まずはPoCついてざっくりと理解したい」という方には、当社で作成した「DXデジタルトランスフォーメーションを成功させるためのPoC(概念実証)進め方と実践の手引き」の資料がおすすめです。下記のリンクからダウンロードしてみてください。

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