PoC(Proof of Concept、概念実証)とは、新しいアイデアの実現可能性や課題を解決する効果について検証する取り組みです。
プロダクト開発の早い段階に小規模な予算でPoCを実施することにより、無駄なコストを支払うことなく、投資対効果を判断することができます。
PoCに必要な費用は開発対象のプロダクトの規模によって異なりますが、プロジェクトマネージャとしては具体的にどれくらいの予算を見込めばよいか把握しておきたいところです。
本記事では、PoCを実行する際に必要となる費用や予算感について解説します。
また、PoCを実施する上で理解しておくべき基礎知識については、下記の記事で詳しくまとめております。
「PoCについてより詳しく知りたい」
「PoCという言葉は知っているけど詳細までは分からない」
という方は、まずこちらの記事をご覧ください。
PoCのトータルの費用と予算
PoCは下記で解説するように大きく分けて2つのフェーズで構成されますが、それぞれのフェーズの費用を合算したトータルでの費用は以下のようになります。
全て自社で実施する場合:180〜400万円
全て外注する場合:400〜840万円
PoCのフェーズごとの費用と予算
PoCは大きく分けて2つのフェーズで構成されます。PoCの目的と検証方法を決める「計画フェーズ」と、プロトタイプ制作と実証および結果の検証を行う「実証フェーズ」です。
PoCで必要な費用も、この2つのフェーズごとに確認します。
計画フェーズの費用と予算
計画フェーズでは、PoCの目的と検証方法を決めます。まずPoCの目的として、自分たちがPoCを行うことで、どのような結果を得たいかを決定します。
PoCの目的が定まったら、検証に用いるプロトタイプの機能を明確にして、検証方法を決めます。この計画フェーズでは、PoCの担当者がプロダクト開発の担当者およびユーザーへのヒアリングを行いながら、詳細を決めていくことになります。
PoCプロジェクトの規模にもよりますが、ヒアリングから検証方法の決定には数週間〜2ヶ月程度を要することが多く、担当者の人件費を人月単位で計算して費用を算出します。
概算としては0.5〜2人月程度を見込むことになり、予算としては自社で全て実施する場合は30〜100万円程度、社外の業者に依頼する場合は100〜240万円程度となります。
実証フェーズの費用と予算
実証フェーズでは、プロトタイプ制作と実証を行います。計画フェーズで決めたプロトタイプの仕様をもとに、実証に用いるプロトタイプを制作します。
PoCでは必要最小限の機能だけで構成されるプロトタイプを用いるため、一般的なソフトウェア開発に要する開発費用よりも安価かつ短納期でプロトタイプを制作することができます。
こちらも制作にかかる期間は数週間〜2ヶ月程度を見込むことが多く、予算としては自社で制作する場合は100〜200万円程度、社外の業者に制作を依頼する場合は200〜360万円程度となります。
社外の業者に依頼する場合は、プロトタイプの要件定義も行う必要がある上に、打ち合わせや社内手続きに要する期間も加味するとプロトタイプの制作期間がさらに1ヶ月程度は長くなります。
PoCのスケジュールと予算を考慮して、制作を外注するかどうか、外注する場合はどの業者にするかを検討しましょう。
実証に関しては1〜3ヶ月程度を要することが多く、予算としては自社で実施する場合は50〜100万円程度、外注する場合は100〜240万円程度となります。
まとめ
PoCは新しいアイデアを検証し、プロダクト開発を進めるために必要なプロセスです。小規模な予算で実施することで無駄なコストを省くことができ、1回のPoCで数百万円の費用で実施できることが一般的です。
PoCの予算が把握できた上で、まだPoCの経験がない場合には、コンサルティング会社と相談しながらPoCの内容を決めていくと良いでしょう。
おすすめのコンサルティング会社について解説した記事が「PoCを実施する前に-コンサル会社のおすすめの活用方法-」です。ぜひご覧になってみてください。
また、プロトタイプの制作を含めたシステム開発の依頼先を探している方は、開発会社についてまとめた記事「PoCを依頼できる開発会社6社を厳選!特徴を踏まえてご紹介!」もご覧になってみてください。
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