第7回 / 調達したリソースをもとに実証を進めよう

PoC(Proof of Concept、概念実証)とは、新しいアイデアの実現可能性や課題を解決する効果について検証する取り組みです。

この「PoCのロードマップ」シリーズでは、自社に新しいSFA(営業管理システム)を導入する企業があると想定し、順を追ってPoCの進め方について解説していきます。

本記事では、「第6回 / 予算が取れたらリソースの調達を行おう」で解説したPoCプロジェクトを実施するために必要なリソースを活用して、実証を進める方法について説明します。

なお、PoCを実施する上で理解しておくべき基礎知識は下記の記事で詳しくまとめております。「PoCについてより詳しく知りたい」「PoCという言葉は知っているけど詳細までは分からない」という方は、まずこちらの記事をご覧ください。

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目次

PoCプロジェクトの実証の進め方

PoCプロジェクトの実証段階では、PoC用に制作したプロトタイプを実際にユーザーに使用してもらい、検証のためのデータを収集します。

この時点では、すでにPoCのスケジュールおよび施策の内容は決まった状態ですので、調達したリソースを各施策に配分して実証作業を進めていきます。

実証のために調達した社内リソースと外部リソースに関しては、それぞれの専門性と対応可能業務および時期などを考慮して、担当する業務を割り振ります。

なお、実証を進める際には、PoCの対象となるプロダクトを導入後の本番に近い環境で検証することが重要です。

したがって、リソースを割り当てる際には、実際に現場で作業を行うユーザーに近い立場のメンバーがプロトタイプを使用するように考慮します。

SFA導入のためのPoCの実証の進め方

前回の記事では、本シリーズで想定しているSFA導入のPoCプロジェクトのリソースを以下のように決めました。

  • 社内リソースとして自社の営業メンバー3名に4ヶ月間、協力してもらう
  • 外部リソースとしてSFAベンダーに対応を依頼(予算200万円)

一方、SFA導入のPoCプロジェクトの暫定スケジュールは以下のように設定しました。

  • PoC用のSFA導入対応期間:2週間
  • 営業メンバーの履歴登録:4週間
  • 営業メンバー間での案件の引き継ぎ:2週間
  • 引き継ぎ後の営業メンバーへのサポート:4週間
  • 営業メンバーの商談件数、失注案件数、再訪問回数の計測:4週間
  • PoCの結果検証期間:2週間

そこで、自社の営業メンバーとして参加するAさん、Bさん、Cさんに、上記施策のうち社内リソースの担当施策を割り当てて対応してもらうことにします。

ここでは履歴登録を全員、引き継ぎをAさんとBさん、引き継ぎメンバーへのサポートと商談件数等の計測をCさんに割り当てます。

一方、外注先のSFAベンダーには、社外リソースに依頼する項目としてSFA導入対応、PoCの結果検証を依頼することとします。この体制で16週間の実証を進めて、SFA導入の検証に必要なデータを収集します。

まとめ

PoCは新しいアイデアを実際の環境で検証し、プロダクト開発やシステム移行を成功に導くための重要なプロセスです。

本記事では、SFA導入のためのPoCプロジェクトを例として、PoCを実施する際の事象の進め方について説明しました。PoCの進め方について、より詳細な実行ステップと実施上の注意点について解説した記事が「PoCの進め方や注意点は?」です。ぜひご覧になってみてください。

「PoCのロードマップ」の次回の記事では、PoCプロジェクトで実証によって得られた結果の評価方法について解説します。「最終回 / 実証結果を評価しよう」をぜひご覧になってみてください。

「まずはPoCついてざっくりと理解したい」という方には、当社で作成した「DXデジタルトランスフォーメーションを成功させるためのPoC(概念実証)進め方と実践の手引き」の資料がおすすめです。下記のリンクからダウンロードしてみてください。

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