こんにちは。ファンリピートの徳丸です。
今回は、MicrosoftのPowerPlatform開発に必要なALMについて紹介していきます。
公式ドキュメント:Microsoft Power Platform に関する ALM の基本
ALM とは
まずPowerPlatformのALMについて書く前に、ALMについて簡単に説明させていただきます。
ALMとはアプリケーションライフサイクル管理(Application Lifecycle Management) の略称です。
ソフトウェア開発・運用を進めていくに辺り、各プロセスを可視化して効果的に管理していくことで、全体的な品質向上やコスト削減、デプロイ等でのリスクの減少が期待できます。
PowerPlatformのALM
環境のALM
基本的にPowerPlatformでの開発は開発、テスト、運用と用途別で環境を分けて使用していきます。
環境には複数の種類がありますが、主にサンドボックス環境と実稼働環境を使用していきます。
サンドボックス環境と実稼働環境はそれぞれ、
- サンドボックス環境:低リスクで安全に開発、テストが出来る環境
- 実稼働環境:アプリやその他ソフトウェアが目的の用途で稼働する環境
のような仕様になっています。
サンドボックス環境はアプリケーションに対して編集、削除等様々なアプローチができます。開発、テストでの利用には向いていますが、運用する際には不必要な機能も多くあるため、運用には向いているとは言えません。
実稼働環境は運用する上で必要な機能のみが使える環境になっているため、純粋に運用していくための環境となっています。
- 開発 = サンドボックス環境
- テスト = サンドボックス環境
- 運用 = 実稼働環境
のように設定して進めていくと良いでしょう。
環境はPowerPlatform管理センターで作成します。
新規作成する際に、作成する環境の用途に応じて、種類を選択して作成しましょう。
ソリューションのALM
開発環境で開発したアプリケーションを他環境にエクスポートする際、ソリューションを使用します。
このソリューションにも下記の2種類があります。
- マネージドソリューション
- アンマネージドソリューション
基本的に開発はアンマネージドソリューション、テストや運用はマネージドソリューションで行います。
マネージドソリューションは、コンポーネントから直接編集ができないようになっているため、テストや運用に向いています。
アンマネージドソリューションは上記のような制約が無く、容易に編集が出来るため、開発に向いています。
基本的にソリューションを新しく作成した際は、アンマネージドで作成されます。
マネージドソリューションにしたい場合は、基となるアンマネージドソリューションをエクスポートする際に、マネージドを選択してエクスポートしましょう。
上記を踏まえて環境とソリューションの組み合わせをまとめると、環境別の運用は下記のようになります。
環境 | ソリューション | |
開発環境 | サンドボックス | アンマネージド |
テスト環境 | サンドボックス | マネージド |
本番環境 | 実稼働 | マネージド |
環境移行のALM
開発環境からテスト環境、本番環境へ移行する際はパイプラインを使用することで、環境移動へのコストやリスクを大きく削減することができます。
パイプラインに関しては、別記事があるのでこちらをご覧ください。
まとめ
今回は、PowerPlatformのALMについて説明しました。
PowerPlatformのALMを有効的に活用していくことで、開発から運用までのプロセスを効率化、安定化させることができます。
適切な環境の運用を行い、アプリケーション開発を行っていきましょう。