ローコード開発ツールおすすめ5選!特徴や事例から選び方まで解説

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システム開発において、ローコード開発という手法が注目されていますが、ご存じでしょうか。ローコード開発には用途に応じて様々なツールが存在します。

しかし、どのようなツールを選べば良いか、わからない方も多いと思います。自社のIT人材のスキルや使用場面などを想定して選ばないと後で困ることになるかもしれません。

本記事では、ローコード開発ツールを導入するメリットやデメリットをはじめ、正しいツールの選び方を解説します。

「システムを短納期かつ低予算で作成したい」
ローコード開発に興味がある
目次

ローコード開発とは

ローコード開発とは、なるべくコードを書かないでシステム開発を行うことです。

既存の機能パーツを組み合わせることで作業を進めるので、コーディングの経験がなくてもシステム開発に参入できるというメリットがあります。つまり、参入障壁の低さが特徴だといえるのです。ローコード開発についての詳しい記事もございますので、気になった方はぜひ以下のページもご覧ください。

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ローコード開発ツールとは

ローコード開発ツールとは、ローコード開発の現場で使用されるソフトウェアのことです。

必要な機能がわかりやすく整頓されており、機能単位パーツの移動などの基本的な操作は主にマウスを使います。直感的に作業を進めやすいので、初心者でも開発にしやすい理由となっています。

コードを書くことでの拡張性も確保されており、必要な機能を後から追加できるので、開発の自由度も確保されているのが特徴です。

ローコード開発が注目される理由

ローコード開発が注目される理由は、近年さまざまな企業で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の考え方が広まっていることにあります。

DXとはIoTなどのデジタル技術を導入し、業務や顧客体験(UX)の改善を図る動きで、これを推進するためには各種ITシステム・ツールの導入が必須です。

特に現在のITツールの刷新・保守費用が、人材不足などの理由で高騰するとされる「2025年の崖」問題があることから、各企業はDX推進を急務としています。

しかし他社への開発業務の発注や、従来の手法での自社開発では、システムの導入に時間がかかるので迅速なDXができません。そのため、短い作業時間で拡張性のあるシステムを制作・保有できるローコード開発に注目が集まったのです。

2025年の崖:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

ローコード開発ツールの選び方

ローコード開発ツールはやみくもに選定すれば良いものではなく、自社のやりたいことに適しているか、継続的な運用ができるかを判断することが大切です。

ツールを選ぶ際に見るべきポイントを紹介しますので、良ければ参考にしてください。

ローコード開発ツールの選び方を説明したスライド

ローコード開発ツールの適用範囲を想定する

ツールをどの場面で使用するかを想定しましょう。開発ツールは利用人数やプランなどで利用料金が変わります。

プロジェクトに関わる人数や、どの部署が使用するのか、など使用シーンを想定し、それに適したツールを選ぶことでミスマッチを防ぎやすくなります。

自社に最適なツールを選ぶために、使用状況をしっかりと整理しておきましょう。

ローコード開発ツールの運用体制を確認する

開発ツールは担当者のプログラミングスキルを把握し、適切なものを選定しましょう。

使える言語やその習熟度を知っていれば、テンプレートや機能パーツにはない、自社の業務内容に適した機能を追加したい場合に対応できます。

そのため、自社の担当者のスキルに応じたツールの選定が大切なのです。場合によっては、ローコードではなく、ノーコードでの開発も視野に入れた方が良いかもしれません。(ノーコードについての記事もございますので、気になった方はぜひご覧ください)

ローコード開発ツールの拡張性を確認する

ローコード開発ツールの拡張性も確認しておきたいポイントです。

制作物が自社の既存システムと連携可能か、提携方法は何かなどを確認しておけば、将来に業務変革や体制刷新があっても柔軟な対応が可能です。

拡張性の高いツールを選定し、不確実な未来に備えましょう。

おすすめのローコード開発ツール5選

おすすめのローコード開発ツールを紹介します。

Power Apps|Microsoft Inc

Microsoft Powerapps ホーム画面スクリーンショット
画像出典:Microsoft | Power Apps

Power AppsはMicrosoftが提供するアプリ開発用のローコード開発ツールです。Microsoftは多くの企業で活用されているPowerPointやExcelなどのMicrosoft 365の提供を行っている企業です。

よって、Power Appsもそれらのアプリと似た操作感です。初めてのツールを利用するとき、なかなか新しいツールに慣れない方もいらっしゃると思いますが、Power Appsであればそこへのハードルはかなり低くなります。また、外部システムとの連携もしやすいことも強みの一つです。

初めの30日間は無料で利用することができます。まずは無料で試すことで自分たちにあったツールかどうか試してみるのがいいでしょう。

特徴

  • Microsoft 365と似た操作感
  • 外部システムとの連携がしやすい

料金(価格)

初めの30日間は無料体験可能。

Microsoft Powerapps料金(価格)についてのスクリーンショット
画像出典:Microsoft Powerapps

事例

  • Telstra

オーストラリアの大手通信会社です。顧客からの問い合わせチケットの状況を確認し、進行中なのか、解決したのかを確認できるようにしました。

  • Pinnacle Groupe

公共物件の住宅、学校などの管理・運営を手がける企業であり、物件の監査プロセスを効率化する安全衛生管理アプリを作成しました。結果、紙の印刷を年間3300枚削減や、データ入力の時間を550時間も節約するなどの改善が得られています。

対応できる規模

複雑なアプリケーションの作成には向いておらず、小規模から中規模のアプリケーションの開発に向いています。また、社外の人向けのアプリ開発には向いておらず、社内での利用目的のアプリ開発に向いています。

PowerApps

kintone

kintone公式サイト ホームのスクリーンショット
画像出典:kintone

kintoneはサイボウズ株式会社が提供する業務改善に優れたローコード開発ツールです。業種別、業務別のテンプレートが100種類以上あり、より手軽にシステム開発ができます。特に、部門内の単純作業や反復作業などのシンプルな業務の効率化を得意としています。

kintoneもスタンダードコースに30日間の無料お試し期間があります。

特徴

  • 日本の企業が運営
  • 誰でも簡単に業務アプリの開発が可能

料金(価格)

30日間のお試し期間あり。

kintone 料金(価格)についてのスクリーンショット
画像出典:kintone

事例

  • 京屋

100年以上の歴史を持つ浴衣などのお祭り用品のオーダーメイドを中心に、染物のデザインから縫製まで手がけています。受注管理・販売管理。見積書作成などの業務などのアプリを開発し、過去最高の売り上げを記録しました。

  • Dive

リゾートバイトに特化した人材派遣事業をメインに手掛けています。採用担当者と派遣登録者とのやりとりがバラバラで、運用ルールが統一されていませんでした。しかし、事業に関わるすべての業務フローをkintoneでアプリ化し、月間1300時間の削減を実現しました。

対応できる規模

5人のチームから10万人のチームまで幅広い規模感での業務改善が可能です。

kintone

Canbus.

Canbus.公式サイトのホームのスクリーンショット
画像出典:Canbus.

Canbus.は株式会社システナが提供するビジネスアプリの制作に優れたローコード開発ツールです。顧客管理や勤怠管理などのExcel業務を簡単にシステムに置き換えることができます。無料体験版もあり、機能の制限はありますがどのようなシステムか知るためにもまずは無料体験をするのがいいでしょう。

特徴

  • ビジネスアプリの制作に優れている
  • オールインワンのワークスペース

料金(価格)

無料体験版あり。

Canbus. 料金(価格)についてのスクリーンショット
画像出典:Canbus.

事例

  • アクトグループ

海鮮や焼肉など多ジャンルの店舗を展開。Canbus.の導入で人事考課を改善し全社業務時間、約40%削減しました。

  • バロックジャパンリミテッド

MOUSSY、AZUL BY MOUSSYなどのファッションブランドを展開。Canbus.の導入で会計処理の短縮を行い、伝票処理時間約75%削減しました。

対応できる規模

小規模なシステムの開発から、ユーザー数無制限まで幅広い規模に対応可能です。

Canbus.

Salesforce Lightning Platform

Salesforce Platform公式サイトのホームのスクリーンショット
画像出典:Salesforce

Salesforce Lightning Platformはセールスフォース・ドットコムが提供する高度なシステム開発が可能なローコード開発ツールです。外部サービスとの連携にも柔軟です。

特徴

  • ソーシャルメディアの情報から感情分析する機能や、画像や言語解析のための人工知能を活用することも可能
  • Salesforce CDPでデータをリアルタイムで保護可能

料金(価格)

無料トライアルあり。

Salesforce Lightning Platformの料金(価格)についてのスクリーンショット
画像出典:Salesforce

事例

  • 三菱UFJ銀行

多様化・高度化する顧客ニーズに対して、邦銀随一の内外ネットワークと強固な商業銀行基盤、及び信託や証券などグループ各社との協働をベースとした総合金融力の強化をSalesforceで改善しました。開発においては、費用を1/3、期間は2/3を実現しました。

対応できる規模

大規模な企業向けのクラウドアプリケーション開発に向いています。

Salesforce Lightning Platform

intra-mart

intra-mart公式サイトのホームのスクリーンショット
画像出典:intra-mart

intra-martは株式会社NTTデータ・イントラマートが提供するバラバラに分断されていたシステムを一元管理することで、システム全体の連携と管理運用の最適化を図ることが可能となるローコードツールです。

特徴

  • 変化に素早く対応可能
  • ワークフローシステムとして、15年連続シェアNo1

料金(価格)

intra-mart 料金(価格)についてのスクリーンショット
画像出典:intra-mart

事例

  • 全日本空輸株式会社(ANA)

一日100枚のファックスのハンドリングに時間と負荷がかかっていたため、intra-martを導入し、時間短縮だけでなく、年間15,000枚分の紙資料保管スペースが不要になりました。

  • ぺんてる株式会社

文房具事業を中心に事業を展開するぺんてる株式会社では、経費チェック工数及び申請誤りによる差し戻し工数の削減のためintra-martを導入。差し戻し件数は従来の3分の1にまで減少し、生産性が向上しました。

対応できる規模

開発できるアプリケーションの規模は、多様であり、中小規模から大規模まで様々な規模のアプリケーションの開発が可能です。

intra-mart

ローコード開発ツールのメリット・デメリット

ローコード開発ツールを導入することには、メリット・デメリットがあります。これらを知ることで、自社への導入を検討する際の判断材料になるので、この機会に理解を深めておきましょう。

以下、詳しく解説していきます。

ローコード開発ツールを導入するメリット

ローコード開発ツールを導入するメリットは、以下の3つです。

ローコードのメリットを説明したスライド

開発業務の効率化につながる

ローコード開発ではコードを書く量をおさえて開発を進めるので、開発の効率化につながります。

機能単位ごとのパーツをマウスで移動させて作業を進めるので、開発の難易度も下がり、完成までの期間も短くできます。結果、納品までの余裕を確保しつつ、プロジェクトの進行が可能になるのです。

プログラミングを深く理解していなくても開発ができる

ローコード開発ではコードを書く量が少ないので、ある程度のスキルは必要ですが、エンジニアとしての知識が少ない人材もプロジェクトに参加させられます。

たとえば自社にシステム部門がない企業でも、ITツールを保有できるので、さまざまな業種においてDXを実現できます。

従来のシステム開発とは異なり、必要最低限の知識があれば参入できるので、IT人材が不足している企業でも開発ができる点もメリットです。

開発費を削減できる

ローコード開発では、システム開発にかかる期間や工数を短縮することできます。そして、前述の通り、IT人材を揃える必要がないので、結果として人件費を削減することができます。

つまり、人材確保に余裕のない中小企業などでもITツールを制作し、業務効率化が図れるというメリットにつながっているのです。

ローコード開発ツールを導入するデメリット

ローコード開発ツールを導入するデメリットは以下の2つです。

ローコードのデメリットを説明したスライド

デザインや機能が制限される

ローコード開発ではコードを書く量をおさえたり、テンプレートを使ったりして開発するので、独自性の高いシステムの制作が難しくなっています。

ある程度デザインや機能の追加は可能なものの、限界があるので、必ずしも自社が望むシステムが導入できるとは限りません。

高いオリジナリティがあり、他社とは全く異なる業務に使うシステムを作りたい場合は、ローコードの導入は適していないといえるでしょう。

ブラックボックス化のリスクがある

ローコード開発ツールの機能パーツは、内部でどのような処理がされているかがわかりにくく、処理結果の検証がし切れないことがあります。

外部業者によるメンテナンスが受けにくい、担当者が変わったときにブラックボックス化する危険性があるなど、問題につながると考えられる点がデメリットです。

導入を検討する際は、システムを使いたい期間はどれくらいかなど、将来性を考えることが大切です。

ローコード開発ツールはシステム開発の効率化を後押しする

ローコード開発ツールを導入すれば、エンジニアの数が少なく、制作に多くの費用を割けない企業でも、自社に適したシステムを持ちやすくなります。

人材削減・費用削減・リードタイム短縮などを満たしつつDXができるので、さまざまな業種・業態でデジタル化による業務効率化を実現できます。

2025年の崖を越えたい・デジタル化の波を乗り切りたいと思う方は、ぜひローコード開発ツールを導入し、効率アップへと舵を切りましょう。

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この記事を書いた人

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